2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ナンジャモンジャ(一葉たご)の白く繊細な花が、街を彩っています。 若い頃には見かけることのなかった花が、こうして至るところで咲いているのを見ると、どこからか贈り物を受け取ったような気分になるものです。もともと絶滅危惧種として知られ、岐阜や愛…
人事異動の時期とあって、さまざまな人と名刺を交わします。同じ数だけ、「さようなら」もあります。この時期に出会い、別れる人は、どちらかといえば裏方の人が多いのです。定年を過ぎ、嘱託まで勤め上げた人には、できるだけ時間をかけて挨拶をするように…
吉野棚という風雅な棚を、稽古で使っています。 客付には大きな丸窓が開き、反対側の勝手付にはふすまが施された、意匠の凝った棚です。裏千家十三代の圓能斎が、高台寺・遺芳庵の「吉野窓」を写して考案したものと伝えられています。 炉の季節にはふすま、…
稽古場に、イチハツの花が一輪、鶴首の花入に活けられていました。一瞬、あやめかと思いましたが、時期が少し早いのです。よく見ると、外側の花弁の中央に、白いトサカのような突起があります。あやめ科のなかでも最も早く咲くことから、「一初」と名づけら…
わが家の廊下の絵を掛け替えました。 一時期、好きで集めていた井堂雅夫さんの木版画を中心に、できるだけ季節感のあるものを掛けるように心がけています。桜の花の散り終えるころが、掛け替えのタイミングなのです。ひときわ華やかだった、大版の満開の桜の…
街路樹のハナミズキが花を咲かせています。白いトンネルのような並木道を通り抜けると、ひとつ春が深まったように感じます。 花水木の道があれより長くても 短くても愛を告げられなかった (吉川宏志)あの花の終わるまでに思いを告げなければ、きっともう勇…
去年の春、わらび狩りに入った山で、シャガの花に出会いました。 わらびの群生する日陰に寄り添うように咲いており、その一輪を、根を傷めぬようそっと掘り上げて持ち帰ったものが、いま、わが家のベランダに根付いています。種子を作らず、地下茎だけで冬を…
近所の公園の白木蓮を愛でることもなく、早々に花が散ってしまいました。 咲き誇る桜を傍目に、ようやく若葉を吹いたばかりの木蓮が立ちすくんでいます。清々しい緑も美しいけれども、せっかく咲いた花と向き合わずに散ってしまうのは、やはりさびしいもので…
利休忌茶会に行ってきました。桜の名所として知られる福岡城址に近い日本庭園での開催とあって、花見客のあいだを縫うようにして茶席へと向かいます。待合までの寄付には、利休像が掲げられていました。添えられた書付は、鵬雲斎宗匠の筆によるものです。文…
稽古場の白竹筒の掛け花入に、椿と貝母(ばいも)が活けられていました。 貝母は、バイモユリ、あるいはアミガサユリとも呼ばれる、釣鐘形の楚々とした花です。椿のような花と取り合わせると、その控えめな佇まいによって、かえって椿の存在感が引き立つよう…