犀のように歩め

自分の角を道標とする犀のように自分自身に対して灯火となれ。鶴見俊輔さんに教えられた言葉です。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

紅炉一点雪

初釜に招かれ、本年初のお茶席となりました。お席の掛軸は「紅炉一点雪」です。真っ赤に燃え盛った炉の上に、一片の雪が舞い落ちては、一瞬のうちに溶けてしまう。そのはかなさを語っています。『碧眼録』には次のように記されています。 荊棘林透衲僧家 紅…

松無古今色

床の間に「松無古今色」(松に古今の色無し)の掛け軸をかけ正月を迎えました。松には古葉、若葉の入れ替わりはあっても、季節を通じてその翠を保ち、年月を経ても変わることはありません。変わらぬ松の翠を、変わらぬ家族の安寧、親しいひととの変わらぬ交…

変わるための正月

玄侑宗久さんによると「正月」とは、もともと修正する月という意味あいで、そう呼ばれたのだそうです。絶えず変わりつつ変わらない人生は、変わらないことによって歪みを溜め込むことになります。昔のひとはその歪みを修正するタイミングを、年のはじめとし…