2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
1992年に刊行された『食卓に珈琲の匂い流れ』という茨木のり子の詩集に、「問い」という詩が収められています。 問い 人類はもうどうしようもない老いぼれでしょうかそれともまだとびきりの若さでしょうか誰にも答えられそうにない問いものすべて始まり…
お茶の稽古の床の間に、淡いピンク色の牡丹が活けてありました。花の王と呼ばれるほどに、堂々とした佇まいですが、花のまわりの空気がかすかに、ふるえているようにも感じます。古い和歌に詠まれることが少ないのもまた不思議な花です。 茶花として重んじら…
茨木のり子の詩『ある一行』は次のように始まります。 一九五〇年代しきりに耳にし 目にし 身に沁みた ある一行 〈絶望の虚妄なること まさに希望に相同じい〉 魯迅が引用して有名になったハンガリーの詩人の一行 絶望といい希望といってもたかが知れている…
詩人茨木のり子のエッセイを、詩に劣らぬボリュームで収録する『茨木のり子集 言の葉』シリーズ(全3巻)を読んでいます。歯切れのいい文章が並んでいるなかで、ほっこりさせられたのが、結婚を寿ぐ詩として広く愛される「祝婚歌」(吉野弘)についてのエッ…