犀のように歩め

自分の角を道標とする犀のように自分自身に対して灯火となれ。鶴見俊輔さんに教えられた言葉です。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

明るい年越し

玄侑宗久がかつて、明るく生きることを「明度の高い生活」と呼んで、次のように語っていました。 誰でも子供の頃は、今鳴いたカラスがもう笑った、などとからかわれたことがあるだろう。そう、人は泣いていた時間を捨て、新たに展開した笑いの時間を生きるの…

かなしみをとどめる

姪の子どもに「サンタさん」の名前で絵本を送り続けています。今年の一冊は、新美南吉著『でんでんむしのかなしみ』(大日本図書)でした。来年小学校に上がる子なので、ちょうど「かなしみ」という言葉も理解できる歳になっているかと考えました。 『でんで…

偶然が宿る器

遠方の出張先で、久しぶりに酒席に招かれ、したたかに飲んでしまいました。雪で交通手段が無くなればビジネスホテルに泊まろうと考えていましたが、JRのダイヤは動いていて、鈍行列車の駅ごとに扉が開く寒さに凍えながら、深夜どうやら家まで辿り着きまし…

なぜ困っている人にお金をあげるのか

落語の人情噺には、金を無くして困っているひとに、なけなしの金をポンとあげる噺がいくつかあります。先日たまたま付けたテレビで、笑福亭学光が「千両の富くじ」を演っていました。金をすられて困っている丁稚のために、貧乏侍が明日の生活のためのなけな…

永久保存用のじぶん

歌人穂村弘のエッセイ集『蚊がいる』(角川文庫)所収「永久保存用」のなかの話です。生産中止になるラミーの万年筆を慌てて買い込み、気に入って使っていたところ、机の上から転げ落ちて凹んでしまいます。その凹みを気にしながら、あるマニアの人が自身の…