2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧
柳田国男の『山の人生』の序文は、小林秀雄によって何度も触れられており、これをきっかけに同書の世界に引き込まれてしまったという人も多いことでしょう。背中をポンと付き押されて、そのまま異界へ連れて行かれるような、この導入部は若いころから常に気…
母の命日のお墓参りに出かけました。父の見舞いに休日の殆どを費やしていたので、草は普段にない高さに達しています。蒲公英が砂利の間にしっかりと根付いており、うまく抜けない。茎の部分は萎れているのに、まだまだ生きたいのだろうと思います。 くさむら…
茨木のり子さんの詩『ある一行』は次のように始まります。 一九五〇年代しきりに耳にし 目にし 身に沁みた ある一行 〈絶望の虚妄なること まさに希望に相同じい〉 魯迅が引用して有名になったハンガリーの詩人の一行 絶望といい希望といってもたかが知れて…