犀のように歩め

自分の角を道標とする犀のように自分自身に対して灯火となれ。鶴見俊輔さんに教えられた言葉です。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

花菖蒲の花咲み

お茶の社中から苗を頂いて、プランターに移していた花菖蒲が、待望の花を咲かせました。つぼみの先が色づき凛としたたたずまいを醸していたかと思うと、その翌々日には大ぶりな花びらを空に向かっていっぱいに広げています。つぼみの時期にお茶の稽古に持っ…

名将たちの戦後

「どんこ舟」の行く岸辺に菖蒲の咲き誇る様子が、テレビで放送されていました。柳川の川下りの終点は料亭「御花」です。もともと柳川藩主立花家の別邸であった屋敷は、維新後に立花家が伯爵家となって洋館を増築し、現在のかたちに整えられたものです。戦後…

ねむらないただ一本の樹となって

すこし古い話になりますが、ようやく再開された有田陶器市に出かけ、十数年ぶりに町外れにある大公孫樹まで足を延ばしました。子どもたちがまだ小さい頃、陶器屋めぐりばかりでは退屈だろうと、大公孫樹を見に連れて行ったところ、その巨大さと新緑の勢いに…

キジバトの記

先日の母の日、15年前に亡くなった母の本棚を整理していると『キジバトの記』(海鳥社)という本が出てきました。上野晴子という著者名を見てもピンとこなかったのですが、本の帯に「〈筑豊文庫〉三十年の照る日、曇る日」とあるのを見つけて、思わず姿勢…

下学して上達す

『論語』に「下学して上達す」とあります。ふつう、しっかりと基礎的なところから研鑽を積めば、高遠な学理に到達するという風に解釈されます。それはそれなりに噛み締めるべき言葉なのかもしれないと思うのですが、孔子はわざわざそんなつまらないことを言…